初心者向けに「UIデザインとは」について解説。
「UIデザインとは」何なのか、歴史などを踏まえて解説しています。
UIデザインの前に「UI」について確認しておきましょう。
UIとはUser Interface(ユーザー・インターフェイス)の略です。インターフェイスというと、最近ではUSBやHDMIなど、機器と機器をつなぐ仕組みを指す言葉としてお馴染みかと思います。
ユーザー・インターフェイスすなわちUIの場合は、機器(実際には、広く製品、システム、サービス全般)とそれを使うユーザーとの”つながり”を指します。
UIで言う「つながり」は、USBのような物理的な接続だけはなく、もっと抽象的、概念的な意味合いも含みます。機器を手に持つ、表示を読む、ボタンを押す、さらには、パッと見てかっこいいと感じるのも「つながり」の一種だと言えます。とにかく機器とユーザーが接したところで起こりうる関係性の全てがUIと言っていいでしょう。
UIデザインとは、機器とユーザーの関係性をデザインするということです。その主な目的は、機器をユーザーにとってわかりやすく、使いやすくすることと、ユーザーに良い印象を与えることですが、後者はデザイン全般に言えることなので、UIデザイン独自の視点は前者になります。
そもそも、UIデザインなどという概念が生まれる前から私たちはUIデザインを行っていました。例えば石器時代の石斧は、人間の手で持ちやすいサイズや重さに調整され、持ち手には手で持ったときに滑りにくい木材が使われています。つまりユーザーにとって使いやすくデザインされていました。
家具や簡単な文房具など、道具がまだアナログでシンプルな時代は、基本的には石斧と同じように人間の解剖学的特性に合わせて設計することがUIデザインでした。やがて道具はどんどん多機能化、電子化、ネットワーク化された複雑な機器に進化していきましたが、その結果、その仕組みや構造、操作方法などがパッと見ただけでは理解しづらくなりました。
単に機能を実現するためだけに設計したのではユーザーが使いこなせないので、ユーザーがやりたいことを確実にできるように、”わかりやすさ”を意図的に設計してやる必要が生まれました。
ファイルアイコンをゴミ箱アイコンにドラッグ&ドロップすれば捨てられるというように、現実世界のやり方をそのまま画面内に再現することで、新たな作法を覚えることなく直感的に操作できます。このように、GUIは記憶や学習など、人間の認知的特性に合わせて設計されています。
このGUIの考え方が、今もパソコン、スマートフォンなどのOSやアプリ、Webページ、ハードウェアの操作画面などに引き継がれています。
今では、UIデザインというとGUI画面のデザインを指す言葉として使われるケースも少なくありません。でも今後IoTが本格化してくれば、持ちやすさなどの解剖学的特性に合わせて設計することも、再び重要になってくるでしょう。
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